文明と生活 in 「ume,yamazoe TAO vol.2」

〈以下、展覧会テキスト〉

丁寧な暮らし、身体が喜ぶ食事、自分本位で生きる、など、とても耳障りの良い言葉や概念について、考えさせられることがあります。
共感するところももちろんあるし、そんな生き方に憧れもあったりしますが、それらを実践できていないことで、妙な劣等感を抱いてしまうことも少なからずあります。

私達はそれぞれの環境や生き方の中で、日々を全うしようと生活しており、環境の似た同僚だったり、同年代の友人、あるいは血の繋がった家族だったとしても、その生き方というものは大きく異なるものだと思っています。

そんな中、もっと大きな力で私達を取り囲んでいる時の流れというものがあり、私達は、その大きな流れの中で日々生活しています。わたしが子供の頃と比べると現代はとても便利になり、おそらく、わたしの子供はさらに便利で快適な時代を生きることになるだろうと思います。この大きな流れで手に入れた快適さは、誰かが誰かのために行ったことの積み重ねによってもたらされたもので、その結果を享受して、私達は日々の生活を送っています。

ume,yamazoeは、宿という概念からすると少し不便かもしれませんが、ここにしかない環境と、ここにしかない生活があり、ここに住む人達それぞれが、この場所で日々を全うしています。そもそも、こんな山奥に歩いて辿り着けるような現代人はほとんどいないのですから、先人達が私たちに与えてくれた文明を活用してこの場所を訪れることで、事物をはかることなく、人間的な視点に出会えることを願っています。

「文明と生活」展示作品
no,1_文明と選択
no,2_原景と滑脱(滑脱の原景 – 山添remix)
no,3_困惑邸
no,4_相殺の流線形
no,5_スタンドオーバーザヴォイド
no,6_型、律
no,7_真鍮長方形
no,8_瞬間癒着遊戯00
no,9_結託するアラン・スミシー(セルフサンプリング実践 – demo version)

2026
所在地
奈良県山辺郡山添村
種別
インスタレーション
担当
山本紀代彦、森永一有、松下ひな
設計協力・制作管理・施工管理
西垣佑哉(世界西垣感)
制作協力
秋山萌音、笹山理湖、田中碧乃、吉田泰星
施工
國政寛、浜村利矢(株式会社シンヨウインテリアサービス)
林雍浩、木村晃子(株式会社嵩倉建設)
TAOvol.2企画プロデュース
梅守志歩(ume,yamazoe)
TAOvol.2企画ディレクション
田中真紀子
写真
河田弘樹