Lingua franca in 「THE CAMPUS」

東京都港区に拠点を置くオフィスの改修project。
色という要素は館内で回遊する人自体が役割を担うこととし、布は無彩色の群とした。
起点となる南館のペリメーターゾーンを各階共通で白色とし、シワ加工、プリーツ加工、ステンレス蒸着、粗密、積層という二次要因を布に付与することで、自然光を刻み込むように室内に引き込んだ。引き込まれた白い光は北側へ向かうにつれ、一滴ずつ影を纏うようにライトグレー、ダークグレーへと約96mに渡って、パースペクティブに濃度を変化させていく。
南館と北館の中庭の壁面には円形にくり抜かれた無数のステンレスメッシュを配置し、西側からの風が吹くことで壁が呼吸をするように反応し、新設されたブリッジによって変化した流跡線を表出させる。
北館ホワイエに新設されたレセプションでは積層されたオーガンジーが軋むように干渉縞を起こし、ノイズを発生させることで外の世界をキャンセルしつつ、来訪者たちを包み込むように迎える。
また、プールバッグのようなビニール素材のパーティション、プラチナ箔加工を施した布を小波板に貼ったショップ什器、スナック菓子の寸法をトレースしたクッション、A1,A2,A3の用紙サイズのクッションなど、あたかも既体験であるかのような備品群を配置し、それらの環境には色を差し出した。
南館から北館への光の流れを段階的な無彩色の直線で結ぶことによって、布は空間の設えに応答するのではなく、光を引き込んだ状況に対して同意することになり、空間から布自身が自律していく無彩色の布群が施設全体のリングワフランカのような役割を果たすことになるよう計画した。

2021
所在地
東京都港区
種別
オフィス
担当
山本紀代彦、森永一有、村瀬唯、西垣佑哉
施工・現場管理
杉本隆治、四宮慎太郎(マナトレーディング株式会社)
建築/内装設計
鷲尾有美、髙橋絵里、花田陽一(コクヨ株式会社)・HACHIDO轟木徳八
企画
コクヨ株式会社、GOODTIME
写真
河田弘樹