水底する立面と水面した立面 in「THE CAMPUS phase4.0_BOXX」
川や池の底を眺めていると、透明でよく見えているにもかかわらず、水底で起こっていることは正確に識別できていないことがよくわかる。
日常生活に置き換えてみると、浴槽やプールで物を落としてしまった時に、目ではしっかりと見えているのに、きちんと位置が把握できずに掴み損ねてしまうという経験をしたことがあると思う。これは、水という透明のボリュームがそこにいることで、脳が描いている状況と実際起きている状況が少し乖離してしまっているのだと思う。
また、池の表面やコップに入った水の表面を見ていると、ほぼ無風状態の状況でも僅かな風を捉えて波紋が起きていたり、凹凸があるような動きをして光を屈折させたり、像を反射させたりしている。
微かに流れている風がそのような作用を起こしているのか、もしくは漂っている空気を水の方が捕まえようとしているのか。と、いずれが起因して、そのような現象が起こっているのか、ただただ眺めているだけでは、よくわからなくなってしまうことがある。
目で見えているものに頼ってしまうと、都合よく見えているもののみを肯定し、見えていないものは存在しないものとされ、本当に目の前で起きていることをきちんと掴みきれないように思う。
この2つの現象を立面に立ち上げて、歪みが発生する透明な水底のような像と、水面のように揺れ動き続ける像を2つのフロアに設けた。
また、水面の隔てを配置したフロアには既設(2021年時)で別素材の同現象が起きており、それを別館(南館)へ延伸するような配置を新たに加え、それぞれ(北館~南館)をひと繋ぎにするような更新を今回の改修計画にて行なった。
- 年
- 2024
- 所在地
- 東京都港区
- 種別
- オフィス
- 担当
- 山本紀代彦、森永一有、西垣佑哉
- 施工・施工管理
- 杉本隆治(マナトレーディング株式会社)
- 建築/内装の設計
- 原田怜、綱川椎菜、岡真奈美(コクヨ株式会社)、轟木徳八(HACHIDO)
- 写真
- 河田弘樹