東京都内の体験型価値創造空間の計画。
大きな気積に対して、人々を取り囲むかのように布幕をシリンダー状に4つ配置し、集うための場所としてそれぞれを半個室化している。
各室は真っ白の背景に雫が集合体を作るように色を沈殿化させ、シリンダー同士の歯車が噛み合う円弧部分で色が中継されていく。
そうして一つの直線上に並べられた色階調に対して、白背景よりさらに強い白の線を後乗せし、こちらも合一化させた。
ハードディスクが最適化されるかのような様相で白線が束になり、線の密度が加速していくことで新しい背景を生み出す。
集合体で生成された背景は、企業が主軸とする事業数と同一としており、アクティビティを誘発させたり、バーチャルコンテンツやデジタルサイネージのための白背景の役割を果たす。後から付着したノイズのようなバグが結合することで新しい価値を生み出し、メインストリームから解放されるようなブレイクスルーが起きる場所になるよう、場の理念を擬態化したような背景とした。
所在地:東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー住友化学株式会社 SYNERGYCA共創ラウンジ / web:https://www.synergyca.jp/
担当:山本紀代彦・森永一有・西垣佑哉・松島優実・村瀬唯
施工・現場管理:杉本隆治・四宮慎太郎(マナトレーディング株式会社)
内装の設計:コクヨ株式会社(江崎舞)
写真:河田弘樹