Lingua franca in 「THE CAMPUS」

東京都港区に拠点を置くオフィスの改修project。スタッフのみでなく多くの顧客が訪れるオフィスであることから、色という要素は館内で回遊する人自体が役割を担うことにし、無彩色の布の群とした。
太陽光が照射される南館のペリメーターゾーンを各階共通で白色起点とし、シワ加工、プリーツ加工、ステンレス蒸着、粗密、積層という二次要因を布に付与することで、自然光を刻み込むように室内に引き込んだ。引き込まれた白の光は北側へ向かうにつれ、一滴ずつ影を纏うようにライトグレー~ダークグレーへと約96mに渡って、パースペクティブに濃度を変化させていく。
南館と北館の中庭の壁面には円形にくり抜かれた無数のステンレスメッシュを配置し、西からの風が吹くことで壁が呼吸をするように反応を起こし、新設されたブリッジによって変化した流跡線を表出させる。
北館ホワイエに新設されたレセプションでは積層されたオーガンジーが軋むように干渉縞を起こし、ノイズを発生させることで外の世界をキャンセルしつつ、包み込むように来訪者たちを出迎える。
また、北館5Fにはプールバッグのようなビニール素材のパーティション、南館1Fにはプラチナ箔加工を施した布を小波板に貼ったショップ什器、スナック菓子の寸法をトレースしたクッション、北館2FにはA1,A2,A3の用紙サイズのクッションなど、あたかも既体験であるかのような備品群を配置し、それらの環境には色を差し出した。
南館から北館への光の流れを段階的な無彩色の直線で結ぶことによって、布は空間の設えに応答するのではなく、光を引き込んだ状況に対して同意することとなり、空間から布自身が自律していくことで、無彩色の布の群が施設全体のリングワフランカのような役割を果たすことになる。

所在地:東京都港区

担当:山本紀代彦・森永一有・村瀬唯・西垣佑哉

施工・現場管理:杉本隆治・四宮慎太郎(マナトレーディング株式会社)

建築/内装設計:鷲尾有美・髙橋絵里・花田陽一(コクヨ株式会社)・HACHIDO 轟木徳八

企画:コクヨ株式会社・GOODTIME

写真:河田弘樹

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