at THE BLEND INN & THE BLEND STUDIO

大阪市此花区のホステルと文化センターのカーテン。
コンクリート打ち放しの無彩色の空間に、色がインフレを起こしてしまっているくらいの極彩色を配置する。
同じモジュールの開口に、縦列で同系色を並べた後に、ルービックキューブのように横方向に色を回転させ、最後に色が過剰にズレたグリッドの色をキャンセルして、代役としてオレンジとグリーンを隣合わせにして配置した。
また、窓に彩られた色を増幅させる装置として、反射板のようなシルバーのカーテンを大部屋の間仕切りに採用した。
極彩色はリフレクトしながら、無彩色の館内に伸びやかな色を与え、屋外へ向かっては反射をかき消される代償として、ファサードのスパイスを担わせた。
カーテン自体は全てオーガンジーで構成され、芯地をデチューンさせることで、重力を借りながら、オーガンジー特有の横方向の張りを奪っていった。
また、ロビーにはファスナーで開閉できるベッドシーツのようなカーテンがあり、ファスナーを閉めることがホステル営業時間のクローズを意味する。
そして、文化センターについては、デニムでカーテンを作成した後、ケミカルウォッシュ加工を施した。
古いものと新しいもの、屋内と屋外、反射と吸収、町と1つの建物、相反するようなものを対極に置かずに、同列に共存するような状況を目指した。

場所:大阪市此花区

THE BLEND INNの設計:島田陽建築設計事務所/タトアーキテクツ

THE BLEND STUDIOの設計:dot architects

写真:河田弘樹

back to list