静岡県磐田市にある美容室のカーテンと布。
装飾された白い場(待合)と、ネイキッドな素の場(カットスペース)の2つに分断された空間に対して、まず、色を置きかえ、1つ目の反転を行う。
木の素地に合わせた金色のようなベージュは、白い場へ、ドレス生地のような白は、素の場へ。
そこから、装飾の場に対しては、トラディショナルな型を布に与え、カーテンに仕上げる。
そして、素の場に対しては、カーテンから型を奪い、布の量を超過させて行く。
待合とカットスペースという場での行為を可視化させ、2つ目の反転を行うのと同時に、場の設えに対する1つの反復を行うことで、ハッキリとしたズレが起きるが、外からの視線や日射をコントロールさせる機能は場の本質に合わせている。
窓が一部越境している白い布のエラーがそれぞれのズレの手がかりとなり、錯覚する状況下での本来の立ち位置をしっかりと示している。
場所:静岡県磐田市
店舗の設計:+tic
施工:貴総合美装
写真:yoichiro suzuki