セレクトショップのカーペットデザインとカーテン。
45度傾いた共用廊下を補助線に用い、店内に斜線を交錯させる。
出来上がった正方形に対して、さらに縦横に補助線を入れる。
幾何学柄をいくつも作りながら、大きなルールとなる15mm角の目地棒を置く。
目地棒によって作られた1つのグリッドは5640mm角で形成され、カーペット自体は30mm角の集合体とし、ミクロとマクロの2つのグリッドを同時に与えた。
幾何学柄は4つのブランドカラーを吸収しながら、ベタ塗り、ストライプ、砂子状と、それぞれの型を得て、緩やかな領域を作る。
4つのブランドのゾーニングがグラデーション状に区画分けされることを500㎡の床で表した。
また、レディスエリアのカーテンには、メンズのブランドカラーも混入させて、同一店舗内で同期しているような状況を作り、フォトスペースを仕切るカーテンはバイアスカットしたオーガンジーを刺繍して、平面の床柄モチーフの骨格のみを立面に立ち上がらせた。
ミクロとマクロ、ネガとポジなど、同期させる関係を店内に散りばめ、あえてそれらを必要以上に増幅させていくことで、エントロピーの増大に反発する状況が微かに起こるのではないかと考えた。
場所：大阪市北区
店舗の設計: ninkipen!一級建築士事務所
特注カーペット製作: 堀田カーペット株式会社
写真 : 河田弘樹
